1階論理のコンパクト性
【コンパクト性定理】
1階論理の公理系Tの任意有限部分がモデルを持つならば、Tはモデルを持つ。
ここで出てくる「コンパクト性」は、位相空間での「コンパクト性」と何か関係があるのかなーと思ってググってみたら、やっぱりあった。3.5秒で疑問が解決しました。
位相空間がコンパクトであることの定義はいくつかありますけど、そのうちのひとつ:
有限交叉性を持つ任意の閉集合系は、空でない共通部分を持つ。
これが関わってくるんですね。オモシロイナー。
ウルトラフィルターを使えばコンパクト性定理は証明できますが、新井先生の本では命題論理のコンパクト性を通して1階論理のコンパクト性を証明していました。
命題論理で論理式が充足可能であることを、真理値への対応つまり付値によって定義
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命題論理のコンパクト性:
命題論理の論理式の集合が充足可能 ⇔ Tの任意有限部分が充足可能
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Henkin拡張しちゃって、1階論理の公理系を命題論理の論理式の集合とみなす。ここから1階論理のコンパクト性の証明
命題論理のコンパクト性を証明する時に、任意有限部分が充足可能な論理式の集合で極大なものを考えていくあたりに、ウルトラフィルターの片鱗を感じました。
コンパクト性で思い出しましたけど、ZFCはコンパクト性を持たないという理解でいいのでしょうかね?ZFCの任意有限個の公理に対しては(推移的で可算な)モデルが存在しますけど、ZFC全体のモデルは存在しないので。ん?ということはZFCの公理の集合は1階論理では書けないってこと?うーん。また調べておこう。